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整備管理者選任前研修は、2026年10月1日から国土交通省のオンライン研修でも受けられるようになりました。2025年度のオンライン研修は選任後研修だけでした。会場の回は運輸支局ごとに開かれます。10月10日時点で全国共通の研修予約システムに載っている10月の会場の回は20枠(午前と午後を別に数えます)で、まだ申し込めるのは京都運輸支局の1枠だけでした。
トラック・バス・タクシーの会社で、整備管理者を置かなければならない営業所に整備管理者が1人もいないと、処分の基準はその営業所の30日間の事業停止です。前の整備管理者が辞めてから次の人が選ばれるまでのあいだも、整備管理者がいない状態にあたります。
研修を受けなければならないか、研修を受ければなれるかは、持っている資格とこれまでの仕事の中身で決まります。整備工場で働いたことのない人にも、数えられる仕事があります。
整備管理者は、決まった台数以上のバスや大型トラック、運送事業の車を使う会社が選ぶ、車の点検・整備と車庫の管理の責任者です。会社に代わってこれらを受け持ちます。選ぶ単位は車検証に書かれた「使用の本拠の位置」ごとで、運送会社なら営業所ごとになります。
会社は整備管理者に、次の権限を与えなければなりません。
国の通達は、定期点検や整備を整備管理者が自分で行うほか、整備工場に行わせることも整備管理者の仕事に含めています。整備管理者は、これらの仕事の進め方を「整備管理規程」という社内の規程にまとめ、それに従って仕事をします。整備管理規程は、選任届のときに運輸支局へ見せる書類の1つです。
同じ通達は、整備管理者を社内で必要な地位にある職員にするべきだとし、会社が車両管理を整備管理者に任せきりにしてはならないとしています。
整備管理者が自分で仕事をできないときは、あらかじめ選んだ補助者を通じて仕事を進められます。補助者に任せられるのは、運行してよいかの決定や日常点検の指導など、日常点検にかかわる仕事だけです。補助者は、整備管理者の資格の条件を満たす人か、整備管理者が研修などで十分に教育した人から選びます。補助者に仕事を任せるには、国の通達が挙げる次の条件を整備管理規程に定め、そのとおりに運用する必要があります。
これらを適切に定めなかったり守らなかったりすると、整備管理者の解任命令の対象になりえます。補助者を選んだり代えたりしても、運輸支局への届出は要りません。
整備管理者は、ほかの仕事や、ほかの営業所の整備管理者を兼ねられます。兼ねる仕事が整備管理規程などではっきりしていて会社が認めていること、兼ねる仕事の場所どうしの距離が仕事の妨げにならないことが条件です。社外の人を整備管理者にする外部委託は、運送事業の車では原則として認められず、グループ企業の中だけで条件つきの例外があります。自家用の車なら、自社の職員から整備責任者を置き、委託の中身を整備管理規程に書くなどの条件で外部委託できます。
整備管理者が要るかどうかは、使用の本拠ごとに、次の車の台数で決まります。表の1行が法令の1つの区切りです。
| 車 | 選任が要る台数 |
|---|---|
| 乗車定員11人以上の車のうち、次の行の自家用の車を除くもの(事業用のバス、レンタカーのバス、乗車定員30人以上の自家用バス) | 1台以上 |
| 乗車定員11〜29人の自家用の車(マイクロバスなど。レンタカーを除く) | 2台以上 |
| 乗車定員10人以下の運送事業の車(トラック、タクシーなど。軽貨物を除く)と、乗車定員10人以下で車両総重量8トン以上の自家用の車(大型トラックなど。レンタカーを含む) | 5台以上 |
| 軽貨物の運送事業の車(軽自動車、小型二輪自動車)と、乗車定員10人以下で車両総重量8トン未満のレンタカー | 10台以上 |
3行目と4行目には、種類の違う車が1つの区切りにまとめて入っています。事業用のトラック3台と自家用の大型トラック2台のように、同じ行の車が1か所に混ざっているときに足して数えるかは、法令にも国の通達にも書かれていません。足して5台以上と数えられることもありうるので、混ざっているときは届出先の運輸支局に確かめてください。
自家用の乗用車や車両総重量8トン未満の自家用トラックは、レンタカーでなければ、何台あっても選任は要りません。国の通達は、事業用のトラック4台とレンタカー9台を使う会社や、自家用の乗用車を10台以上使う会社を、10台以上使っていても選任が要らない例に挙げています(レンタカーの大きさは書かれていません)。
選任の義務は、台数が増えても最低1人です。関東運輸局の研修資料は、休みなどで整備管理者が対応できなくなるときに備え、整備管理者を追加で選ぶか補助者を選んでおくよう勧めています。
選ばなければならないのに選ばずにいると、30万円以下の罰金の対象になります。
選任が要る自家用の会社には、事故の報告の義務もかかります。死者や重傷者が出た事故、装置の故障で車が走れなくなった事故、故障による車輪の脱落などが起きたら、30日以内に運輸支局を経由して国に報告書を出します。死者が2人以上、重傷者が5人以上、負傷者が10人以上の事故や、酒気帯び運転を伴う事故などは、報告書とは別に、24時間以内にできる限り速やかに電話などで運輸支局へ事故の概要を速報します。軽自動車、小型特殊自動車、二輪の小型自動車は、報告書と速報の対象から外れます。
整備管理者になる条件は2通りあります。
| 整備士の資格で選ぶ | 実務経験で選ぶ | |
|---|---|---|
| 条件 | 1級・2級・3級の自動車整備士の技能検定に合格している | 管理する車と同じ種類の車の点検・整備か整備の管理の実務が2年以上あり、選任前研修を修了している |
| 選任前研修 | 要らない | 要る |
| 選任届に付ける資格の証明 | 合格証書のコピー | 実務経験証明書と、選任前研修修了証明書のコピー |
どちらの条件でも、解任命令で解任されて一定の期間がたっていない人は選べません(期間は「解任命令」の節)。
選任前研修を修了しただけでは、整備管理者になれません。実務経験の2年と組み合わせて初めて条件を満たします。
国の通達は、次の仕事を実務経験に数えています。
同じ種類の車とは、「二輪自動車」と「二輪自動車以外の自動車」の2種類です。二輪専門の整備工場での経験では、四輪の整備管理者にはなれません。両方を整備していた工場での経験なら、両方に使えます。選ばれる営業所でいちばん多く使う種類の車の経験があれば、ほかの種類の車が混ざっていても条件を満たします。
実務経験証明書は、働いていた会社の事業主が証明します。2年が複数の会社にまたがるなら、会社ごとに証明が要ります(千葉運輸支局の様式)。通達は、利害関係のない第三者の証明が得にくいときは、本人の履歴の誓約書か会社の使用証明書を出させるとしています。経歴の書面を出せないときの書類として、2年の実務経験がわかる選任後研修の修了の証明の写しも挙げていて、前の会社で整備管理者だった人はこれで経験を示せる場合があります。
整備士の資格は、1級・2級・3級のどれでも条件を満たし、選任前研修は要りません。自動車タイヤ整備士、自動車電気装置整備士、自動車車体整備士は1〜3級の資格ではないので、この条件に当たりません。
実務経験の条件には「同じ種類の車」の限定がありますが、整備士の資格の条件にはその限定が書かれていません。二輪の整備士の資格で四輪の車の整備管理者になるときは、届出先の運輸支局に先に確かめてください。
2003年4月1日に整備管理者に選ばれていた人は、今の条件を満たすものとみなされ、別の営業所の整備管理者になるときも研修は要りません。その日に整備管理者でなかった人が実務経験で整備管理者になるときは、それより前に整備管理者の経験があっても、選任前研修の修了が要ります。
選任前研修を受けるのは、整備士の資格がなく、実務経験で整備管理者になる人です。1〜3級の自動車整備士の資格がある人と、前に選任前研修を修了した人は受けなくてかまいません。修了したのがどこの運輸支局の研修でも、何年前でもよく、修了証明書に有効期限はありません。整備管理者の補助者になる人も受けなくてよく、千葉運輸支局は、必要な社内教育をすれば補助者に選べると案内しています。教育の中身は、「整備管理者の仕事」の節の補助者の条件のとおりです。
修了証明書をなくしたときは、交付を受けた運輸支局に問い合わせます。大阪運輸支局は、修了証明書を再交付するのではなく、修了したことを証明する書面を渡しています。
研修の中身は、国の通達が参考の時間割を示しています。整備管理者の役割、日常点検と定期点検、路上での故障とその防止、車両管理に要る法令、車両管理、運転者への指導などです。時間割の最後には試問で理解度を確かめる時間があり、受講者が自分で採点します。会場の回の長さは、東京運輸支局が2時間30分、岡山・山口運輸支局が3時間です。千葉運輸支局は、受けたその日に修了証明書を交付しています。
関東運輸局は令和8年度 整備管理者選任前研修資料をPDFで公開しています。
オンラインの研修は、整備管理者に選ばれる予定の人なら、全国のどの運輸支局からでも申し込めます。整備管理者研修 申込案内で運輸局と運輸支局を選ぶと、選任前研修の申込みフォームが開きます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申込みと受講の期間 | 2026年10月1日10時から2027年3月19日17時まで |
| 定員 | 受講できる人数に限りがあり、定員に達した時点で受付が終わる |
| 使う機器 | カメラ付きのパソコン、タブレット、スマートフォン |
| 本人確認書類 | 運転免許証、マイナンバーカード、パスポートのいずれか |
| 申込み | 1人ずつ。1つのIDで複数人は受けられない |
講義と試問を終えて修了証を受け取るまでが受講です。修了証は自分でPDFをダウンロードします。ダウンロードの期限は、研修サイトが2027年3月31日17時まで、近畿運輸局の案内が受講期間(3月19日)までと書いていて、食い違っています。終えたらその場で保存してください。
大阪運輸支局は、2026年度の選任前研修を会場では開かず、オンラインだけで行います。
会場の回は運輸支局ごとに開かれ、日程も申込み先も支局で違います。国の通達は、支局ごとに少なくとも半年に1回は開くよう求めています。修了するのはどこの運輸支局の研修でもかまいません。
予約を全国共通の研修予約システムで受け付ける支局があり、10月10日時点で30の運輸支局の選任前研修が載っています。「研修種別」を「整備管理者研修(選任前)」に、「受講支局」を受ける支局にして絞り込むと探しやすいと、東京・千葉運輸支局が案内しています。受付は回ごとに始まり、定員に達すると締め切られます。茨城運輸支局の10月20日の回は、申込期間の最終日の10月13日を待たずに満員になりました。
申込みの決まりも支局ごとに違い、千葉運輸支局は上期の案内で、受講できるのを選任予定の人に限り、1社2名までとしていました。京都運輸支局は、京都府トラック協会の会員なら協会に申し込むよう案内しています。
主な支局の会場の回は次のとおりです(2026年10月10日時点。年を書いていない日付は2026年)。
| 運輸支局 | 会場の回 | 予約 |
|---|---|---|
| 東京 | 上半期の6回は9月16日で終わり、下半期の案内はまだない。2025年度は下半期の案内を11月26日に出し、12月から3月に第1〜4回(計8日、各日午前・午後)を開いた | 研修予約システム。電話・FAX・メールでは受け付けない |
| 神奈川 | 11月19日、12月17日、2027年1月28日、2月19日、3月18日(各日午前・午後) | 研修予約システム。受付は各回の約2週間前から(11月19日の回は11月4日から) |
| 埼玉 | 2027年1月13・14日、3月9・10日(各日午前・午後) | 研修予約システム。1月の回は12月6日から、3月の回は2月2日から |
| 千葉 | 上期の3回で終わり、下期は後日掲載 | 研修予約システム |
| 茨城 | 11月17日、12月15日、2027年1月26日、2月16日、3月16日(各日午前・午後、定員各20名) | 研修予約システム。申込期間は開催日の約1か月前から1週間前まで |
| 愛知 | 12月10日 | 研修予約システム。11月2日から |
| 京都 | 10月29日、11月30日、2027年1月26日 | 研修予約システム。10月29日の回は10月22日まで |
| 大阪 | 開かない | オンラインのみ |
| 福岡 | 後期の会場の回は未定 | 研修予約システム |
九州運輸局は、管内の支局の日程を1つの一覧にまとめています。大分運輸支局は、会場の回を2027年2月ごろに開く方向で調整していて、できるだけオンラインで受けるよう求めています。
当日の持ち物は支局ごとに違います。東京運輸支局は本人確認書類が確認できなければ受講できないとし、京都・岡山運輸支局は顔写真付きの身分証明書を求めています。東京・京都運輸支局と九州運輸局は、予約のときに届いたメール(受講票)の提示も求めています。京都運輸支局と九州運輸局は会場でテキストを配らないので、事前にダウンロードして持っていきます。
東京運輸支局は受付時間中に受付を済ませていないと受講と認めず、京都運輸支局は研修が始まったあとは受け付けません。予約で入力した氏名や生年月日に誤りがあると、修了証を当日に受け取れないことがあります(東京・京都運輸支局)。
受講料は、東京・茨城・京都運輸支局が無料です。岡山運輸支局は教材費1,800円、山口運輸支局は1,100円を持ってくるよう求めています。
急いで整備管理者を選ばなければならず、ほかの支局の回も受けられない人がいるときについて、国の通達は運輸局に、できる範囲で臨時の選任前研修を開くよう求めています。
整備管理者を選んだら、会社は選んだ日から15日以内に、地方運輸局長あてに届け出ます。窓口は運輸支局の保安(整備)の担当です。届出が要る場面と期限を、関東運輸局の研修資料は次のようにまとめています。
| 届出 | こんなとき | 期限 |
|---|---|---|
| 選任届 | 整備管理者を新しく選んだ。営業所を新しく設けて選んだ | 15日以内 |
| 変更届 | 会社の名称・住所、営業所の名称・位置、事業の種類が変わった。異動などで整備管理者が代わった、増やした・減らした、氏名が変わった、兼職の有無が変わった | 15日以内 |
| 廃止届 | 事業をやめた・譲った。営業所を廃止した。選任の義務がなくなった | 30日以内 |
届出書の様式は運輸支局ごとにあります。千葉運輸支局の必要書類の一覧では、次のものを出します。
千葉運輸支局の同意書には、解任命令で解任されてから決まった期間内の人ではないことを本人が認める文と、解任命令の有無を書く欄があります。届出書は事業の種類ごと、選任が要る営業所ごとに出し、社印や代表者印は要りません(千葉運輸支局の様式)。
届出は、e-Govの電子申請でも出せます。国土交通省の一覧では、整備管理者の選任・変更・廃止の届出は2025年9月から対象で、運送事業者のほか自家用の車の使用者も使えます。出せるのはパソコンからで、スマートフォンからは出せません。
届出をしなかったり偽ったりすると、30万円以下の罰金の対象です。国の通達は、罰則の対象は会社で、整備管理者ではないとしています。運送事業者には処分の基準もあり、初違反なら、届け出なかったときは警告、偽って届け出たときは40日車(貸切バスは60日車)です。日車は、止める車の台数に止める日数を掛けた量です。
地方運輸局長は、整備管理者が法令や処分に違反したとき、会社に整備管理者の解任を命じることができます。国の通達は、解任命令を出すのが適当な例として次を挙げています。
ここでいう事故は、転覆・転落・火災・鉄道車両との衝突や接触、死者や重傷者が出た事故、装置の故障で車が走れなくなった事故、故障による車輪の脱落や被牽引車の分離です。車輪の脱落事故の処分の基準(トラック・乗合バス・貸切バス)は、車両総重量8トン以上か乗車定員30人以上の車に限り、事業者が関わっておらず点検整備を確実に行っていた証明があるときを除いています。
整備管理規程どおりに仕事をしていないと分かったときについて、通達は解任命令を出すことが必要だとしています。
通達によれば、解任命令は、整備管理者を別の立場へ異動させるよう会社に命じるもので、雇用契約の解除を求めるものではありません。
解任された人は、解任から2年は整備管理者に選べません。乗車定員11人以上の車のために選ぶ整備管理者なら5年です。ほかの営業所や会社の整備管理者を兼ねていた人は、そのすべてで解任されます。
会社が解任命令に従わないと30万円以下の罰金の対象で、運送事業者の処分の基準は初違反で40日車です。
運送事業者が選んだ整備管理者は、選ばれた年度の次の年度の末日までに選任後研修を受け、その後も2年度に1回受けます。選任前研修を修了して選ばれた人も、選任後研修は別に受けます。自家用の車だけを管理する整備管理者には、受ける義務がありません。期限の数え方と申込みは整備管理者選任後研修は誰がいつまでに受けるか―期限の数え方、オンラインと会場の申込み、受けさせない会社への処分をご覧ください。
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