寒い冬の朝、車のエンジンをかけてすぐに暖房を全開にしていませんか?
あるいは、「暖房をつけると燃費が悪くなるから…」と寒さを我慢していませんか?
実は、ガソリン車の暖房は基本的に燃費に影響しません。
しかし、使い方を一歩間違えると、知らない間にガソリンを無駄に消費してしまう「落とし穴」があるのです。
今回は、車の暖房の仕組みと、やりがちな「燃費が悪くなるNG行動」について解説します。
これには、エンジンの仕組みが大きく関わっています。
ガソリン車やディーゼル車は、エンジンを動かす際に莫大な「熱」を発生させます。通常、この熱は捨ててしまうものですが、車の暖房はこの「エンジンの廃熱」を再利用して温風を作っています。
つまり、「捨ててしまうはずの熱をリサイクルしている」だけなので、暖房自体には余分な燃料を使わないのです。

⚠️ 注意:電気自動車(EV)の場合
EVはエンジンがないため、バッテリーの電力を使って熱を作り出します。そのため、EVの場合は暖房の使用が航続距離(燃費・電費)に大きく影響します。
では、ガソリン車なら「暖房は使い放題」なのでしょうか?
実は、ここからが本題です。使い方次第では燃費が悪化してしまうのです。
「暖房は排熱利用だからタダ」という原則がありながら、なぜ燃費が悪くなるのでしょうか?
その原因となる6つのNG行動と対策をご紹介します。
これが最大の盲点です。
暖房を使いたいだけなのに、「A/C(エアコン)」ボタンが光っていませんか?
A/Cがオンだと、エンジンの力を使ってコンプレッサーを回すため、燃費が悪化します。
「冬なのに冷房のスイッチを入れている」のと同じ状態になり、暖めながら冷やす(除湿する)というチグハグな動作になってしまうのです。

【対策】
窓が曇っている時以外は、A/Cボタンを「オフ」にしましょう。これだけで燃費悪化を防げます。また、A/Cオフは車内の過乾燥(のどの痛みやドライアイ)を防ぐ効果もあります。
寒いからといって、乗り込んですぐに設定温度をMAXにしていませんか?
エンジンが冷え切っている状態では、利用できる「排熱」がまだありません。
この状態で風量を上げても、冷たい風が出るだけで温まらない上に、ファンを回すための電力を無駄に消費してしまいます。

【対策】
水温計の針が少し動くか、温風が出始めるまでは風量を弱めにして待ちましょう。
「暖かい空気は軽く、上に上がる」という性質があります。
顔に向けて温風を出すと、足元は冷たいまま、頭ばかりがボーッとしてしまい、効率よく車内が温まりません。

【対策】
風向きは「足元(フット)」に設定しましょう。下から温めることで、自然と車内全体に対流し、素早く快適な温度になります。
「車内が暖かくなってから出発したい」と、停車したままエンジンをかけ続けていませんか?
アイドリングは、車が1mmも進んでいないのにガソリンを消費し続ける、最も燃費に悪い行為です。
💡 驚きの事実
10分間のアイドリングで消費する燃料は、約8km走行する分に相当するとも言われています。
【対策】
走り出しながら暖めるほうが、エンジンへの負荷も少なく、早く温風が出ます。
「エアコンフィルター、いつ交換しましたか?」と聞かれて即答できない場合は要注意。
フィルターがホコリで詰まっていると、空気の流れが悪くなり、暖房の効きが悪化します。結果としてファンを強く回すことになり、無駄なエネルギーを使います。

【対策】
交換目安は1年に1回です。最近のフィルターは花粉やウイルス対策機能もついているので、この機会に見直してみましょう。
オートエアコンの場合、設定温度と外気温の差が大きいほど、ファンが強く回り、燃費(電力消費)に影響します。
実は、各メーカーが推奨する「最も効率よく制御できる設定温度」があるのをご存知でしょうか。
この温度を基準に設計されていることが多く、ここから大きく外れる(例えば30℃設定にする)と、必要以上にファンが唸りを上げることになります。
【対策】
設定温度を上げすぎず、上記の推奨温度を目安にしましょう。暖かさが足りない場合は、温度を上げるよりも「風量」を少し調整するほうが効率的です。
車の暖房は、仕組みさえ理解すれば「お財布に優しい」装備です。
まずはこの3つを意識するだけで、燃費の無駄遣いを大きく減らせるはずです。
また、暖房を使い続けると車内が乾燥しやすいため、1時間に1回程度は窓を開けて換気するなど、体調管理にも気を配りながら冬のドライブを楽しんでくださいね。