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日本自動車連盟(JAF)が2015年に行った試験で、溝が2分山まで減った夏タイヤは、乾いた路面では10分山のタイヤより短い距離で止まりました。時速100kmから直線でブレーキをかけたときの平均で、2分山が42.6m、10分山が47.5mです。路面をぬらすと順番が入れ替わり、2分山は70.5m、10分山は47.6mでした。
溝が残っていても、年数で替えどきが来ます。年数の目安には法律の決まりがなく、日本自動車タイヤ協会(JATMA)とタイヤメーカーがそれぞれの言葉で示しています。目安によって、年数を数え始める日も違います。どの目安で数えるにも、最初に読むのはタイヤの側面にある4桁の数字です。
タイヤの側面のホイールに近いところに、記号と数字が並んだ刻印があります。製造番号(セリアル)と呼ばれ、最後の4桁がタイヤを作った年と週を表します。前の2桁が週、後ろの2桁が西暦の下2桁です。日本自動車タイヤ協会の例では、「1220」は2020年の12週目に作られたタイヤです。
刻印から分かるのは週までで、日付は分かりません。週は、その年の最初の日曜日から始まる週を「01」として数えます(TOYO TIRE)。月に直すと、おおよそ次のとおりです。
| 週 | 月 | 週 | 月 |
|---|---|---|---|
| 01〜04 | 1月 | 27〜30 | 7月 |
| 05〜08 | 2月 | 31〜35 | 8月 |
| 09〜13 | 3月 | 36〜39 | 9月 |
| 14〜17 | 4月 | 40〜43 | 10月 |
| 18〜22 | 5月 | 44〜48 | 11月 |
| 23〜26 | 6月 | 49〜53 | 12月 |
この表は大まかな目安で、同じ週の番号でも年によって月が1か月ずれることがあります。13、17、22、26、30、35、39、48週は年によって前の月にも次の月にもなり、ほかの週も月の境目をまたぐことがあります。年の最後の週は、翌年1月の数日を含むことがあります。「1220」のタイヤは2020年3月ごろの製造で、2026年10月には製造から6年半あまりたっています。
1999年以前に作られたタイヤは、週の2桁と西暦の下1桁を合わせた3桁で表しています。日本自動車タイヤ協会は、「159」を1999年の15週目の例として挙げています。下1桁だけでは何年代かが分からないため、TOYO TIREとコンチネンタルは、1990年代のタイヤにだけ数字の後ろに三角形のマークを付けて区別していました。
製造番号は、タイヤの片側の面にしか刻まれていません(ブリヂストン、横浜ゴム、TOYO TIRE)。車に付いたままだと、刻印が内側の面にあって見えないことがあります。
法律の基準では、タイヤの溝の深さは1.6mm以上、二輪車は0.8mm以上が必要です。対象は路面に触れる面の全幅にわたる溝で(ラグ型のタイヤは中心から左右それぞれ全幅の4分の1の範囲)、細い切れ込み(サイプ)、スタッドレスタイヤのプラットホーム、スリップサインの部分を除いたどの部分でも、この深さが要ります。最高速度40km/h未満の車や大型特殊自動車などのタイヤは、この基準の対象外です。
乗用車などのタイヤでは、溝の中にある盛り上がり(スリップサイン)が目印になり、すり減って残りが1.6mmになると表に出ます。法律の基準も、溝の深さをスリップサインで判定してよいとしています。ダンロップによると、スリップサインは路面に触れる面の全周に4〜9か所あり、タイヤの側面にある「△」マークの延長線上の溝で見つけられます。
基準を下回ったタイヤで走ると、整備不良の違反になります。違反点数は2点、反則金は普通車9,000円、大型車12,000円、二輪車7,000円、原付6,000円です。基準を下回ったタイヤは、車検にも通りません。
乗用車などのタイヤでは、スリップサインは残り溝が1.6mmになると現れる印です(JATMA)。1か所でも出ていれば、基準の境目まで減っているので、すぐに交換します。
日本自動車タイヤ協会とTOYO TIREは、高速道路を走る小型トラック用タイヤに2.4mm以上の残り溝を求めています。TOYO TIREは、トラック・バス用タイヤでは3.2mm以上としています。
ブリヂストン、ダンロップ、横浜ゴムは、法律の限度より手前での交換を勧めています。ブリヂストンは夏タイヤの残り溝が4mm以下になったら交換、ダンロップは4.0mm以下なら早めの交換です。横浜ゴムとブリヂストンは同じ条件の試験(タイヤサイズ165SR13、湿ったアスファルト)のグラフを載せていて、止まるまでの距離は、残り溝が4mmを切ったところから急に伸びています。横浜ゴムは、このグラフの出所を日本自動車タイヤ協会の資料と記しています。
4mmについてブリヂストンは、平均の値で、タイヤの種類や偏平率によって違う場合があるとしています。そのうえで、路面に触れる部分が50%ほどすり減ったら交換を考えるよう勧めています。
手元で目安を見る方法として、ブリヂストンは5円玉を紹介しています。溝に垂直に差し込んで「五」の三画目の横線が見えたら残りは約4mm、「五円」の文字がすべて見えたら約1.6mmです。同社は、この方法は簡易的な目安で、正確な測定ではないと断っています。
測るのは、サイプ・プラットホーム・スリップサインの部分を除いた溝の、いちばん浅いところです。横浜ゴムによると、背が高いミニバンは外側が片減りしやすい傾向があります。
スタッドレスタイヤは、溝が新品の50%まで減ると冬用タイヤとしては使えません。目印の見方と替える時期はスタッドレスタイヤの交換時期―地域ごとの初雪・初氷の平年日、店が混む時期、夏タイヤに戻す目安、去年のタイヤの確かめ方をご覧ください。
日本自動車タイヤ協会は、使い始めてから5年以上たったタイヤは販売店などで点検を受け、製造から10年たったタイヤは見た目に問題がなくても新しいものに替えるよう勧めています。5年は点検、10年は交換の目安です。5年は使い始めた日から、10年は作られた日から数えます。どちらもスペアタイヤを含みます。
同協会は注で、10年は目安であり、そのタイヤが使えなくなる時期を示すものではないと断っています。10年たっても使い続けられる場合も、10年たたなくても替える必要がある場合もあるとしています。5年と10年は、タイヤメーカー、販売会社、販売店の品質保証の期間でもありません。車のメーカーが取扱説明書に、タイヤの点検や交換の時期を書いている場合もあります。この目安の対象として挙がっているのは、乗用車用、小型トラック用、トラック・バス用のタイヤです。
協会とメーカーの目安を並べると、次のとおりです。
| 出典 | 点検の目安 | 交換の目安 |
|---|---|---|
| 日本自動車タイヤ協会 | 使用開始後5年以上 | 製造後10年 |
| ブリヂストン | 使用開始後5年以上(「タイヤの寿命」のページは製造から5年) | 製造後10年 |
| 横浜ゴム | 使用開始後5年以上 | 製造後10年以上 |
| 住友ゴム工業(ダンロップ) | 使用開始後5年以上 | 製造後10年 |
| TOYO TIRE | 使用開始後5年以上 | 製造後10年 |
| 日本ミシュランタイヤ | 使用開始から5年が過ぎたら、年に1回 | 製造から10年が過ぎ、一度も交換されていない場合 |
| コンチネンタル | 年数の記載なし | 製造から10年以上 |
表の7つの出典のうち、点検の5年を製造から数えているのは、ブリヂストンの「タイヤの寿命」のページです。同じブリヂストンでも「長期経過タイヤの点検・交換」のページは、協会と同じく使用開始から数えています。TOYO TIREのよくある質問は、「長期間(5年以上を目安)使用した場合」に点検を勧めています。
ダンロップは用語集で、タイヤを交換して約4年ほどでゴムの硬化が始まり、ひび割れが出てくるようになるとしています。コンチネンタルは、特定の年数でタイヤの使用をやめるための技術的なデータは持っていないとしたうえで、製造から10年以上のタイヤは見た目がよくても交換するよう勧めています。そうしたタイヤの劣化の兆しをドライバーが目で見て確かめるのは適切ではなく、見た目に問題がなくても年数による劣化は交換の理由になる、というのが同社の説明です。
4桁から分かるのは、製造からの年数です。使い始めた日は刻印からは分からず、交換したときの領収書や整備の記録で確かめることになります。「1220」のタイヤなら、製造後10年は2030年3月ごろです。
日本自動車タイヤ協会は、ひび割れの程度を写真つきで5段階に分けた判断基準を出しています(タイヤ安全ニュースNo.72、2012年3月)。
| 段階 | 協会の区分 | 協会が示す対応 |
|---|---|---|
| レベル1・2 | 継続使用可能 | 使い続けて問題ない |
| レベル3・4 | 継続使用可能(要経過観察) | ひび割れの進み具合を日常点検で確かめる |
| レベル5 | 要注意 | 内部のコードに届いていれば交換が必要。判断に困ったら販売店に相談 |
分かれ目は、ひび割れがタイヤ内部のコード(タイヤの骨格になる部分)に届いているかどうかです。届いていなければ使い続けられ、届いていれば交換が必要です。ブリヂストンは、コードに届いていないように見えるひび割れでも届いていることがあるとして、判断がつかなければ専門店で確かめてもらうよう勧めています。法律の基準でも、亀裂やコード層の露出など、著しい破損のあるタイヤは認められていません。
側面の一部がコブのように盛り上がっていたら、内部のコードが切れている可能性があります。横浜ゴムとダンロップはすぐに交換するよう求め、ブリヂストンは修理できないので交換が必要としています。へこんでいる場合は問題ないと横浜ゴムは書いています。側面に帯状の凹凸が出るのは内部の構造によるもので、不良品ではないとダンロップは説明しています。
協会は、ひび割れを進める原因として、空気圧不足や荷物の積みすぎ、洗車のしすぎや有害なつや出し剤、オゾンや紫外線の多い場所での使用・保管、車をあまり使わないことの4つを挙げています。
車をあまり使わないとひび割れの原因になる理由を、ブリヂストンは次のように説明しています。タイヤにはゴムの劣化を抑える薬品(老化防止剤)が入っていて、走るときの変形や熱で表面に染み出るように作られています。使う回数が少ないと、この薬品の効果を得にくくなります。ダンロップは、つや出し剤がこの薬品を落としてしまうことがあるとして、塗るのはできるだけ控えるよう求めています。
表の7つの出典の案内には、走行距離で交換の時期を示したものはありません。コンチネンタルは、タイヤの使い方は車やドライバーによって大きく違うため、寿命を一概に予測するのは難しいとしています。
減り方を早める原因の1つが、空気圧の不足です。空気圧が足りないとタイヤは偏って減り、寿命が縮みます。空気圧は条件で差があるものの1か月で5%ほど自然に下がり、日本自動車タイヤ協会が2016〜2022年に高速道路で調べた乗用車では、4台に1台が空気圧不足でした。ダンロップは、5,000kmを目安にタイヤの位置を入れ替える(ローテーション)よう勧めています。
外した夏タイヤや冬タイヤは、直射日光、雨や水、油、ストーブなどの熱源、電気の火花が出る機器、モーターやバッテリーのようにオゾンが出る機器から離れた場所で保管します。ホイールに付けたままなら空気圧を使うときの半分ほどに下げて寝かせ、ホイールから外したタイヤは縦に置きます。
店に並ぶ新品が、作られてから時間がたっていることもあります。ダンロップの公式サイトの通販は、製造年週を指定した注文を受け付けていません。
ブリヂストンは、適正に保管された乗用車用の夏タイヤは製造後3年間は同等の性能を保つとしています。同社が2006年9月に行った試験では、ぬれた路面で時速80kmからブレーキをかけて止まるまでの距離が、2006年製で26.0m、3年保管した2003年製で26.6mでした。ゴムの性能の低下は、適正な保管中にはほとんど進まず、車に付けて走るときの熱と力で少しずつ進むと同社は説明しています。
在庫の期間は、年数の目安によって扱いが分かれます。協会の目安では、製造後10年には在庫の期間が入り、使用開始後5年には入りません。製造から3年たった在庫品を付けると、製造後10年の目安までは使い始めてから7年です。ブリヂストンの「タイヤの寿命」のページの書き方なら、点検を勧める5年にも在庫の期間が入ります。
中古タイヤは、前の持ち主がいつ使い始めたかが分からないので、年数で確かめられるのは製造からの年数です。ほかに見るところは次のとおりです。
| 見るところ | 目安 |
|---|---|
| 製造年週 | 側面の4桁。3桁なら1999年以前の製造 |
| 溝 | サイプ・プラットホーム・スリップサインの部分を除いた溝の、いちばん浅いところで測る。乗用車などの法律の限度は1.6mm、ブリヂストンは夏タイヤで4mm以下での交換を勧める |
| ひび割れ | 内部のコードに届いていないか |
| 側面 | コブのような盛り上がりがないか |
| パンク修理の跡 | 修理した位置と穴の大きさ(下の段落) |
| 加工 | TOYO TIREは、溝を彫り直す(リ・グルーブ)、穴をあけるなどの加工をしたタイヤは使わないよう求めている |
パンク修理について、コンチネンタルは、修理できるのはトレッド(路面に触れる部分)の中央4分の3にある直径6mm未満の穴に限り、側面は修理できないとしています。位置と大きさのほかにも、タイヤの構造が完全でないもの、空気が抜けたまま走ったことによる損傷があるもの、すでに修理した跡があるものを、修理できない条件に挙げています。そのうえで同社は、安全上の理由から、修理ではなく交換を勧めています。
2本だけ買って今のタイヤと組み合わせるなら、TOYO TIREは、サイズ、種類、構造、タイプの違うタイヤを同じ車軸に混ぜて使わないよう求めています(応急用タイヤは除く)。
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