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東北の高速道路では、その冬に初めて雪が積もった日に事故が多く起きる傾向があります。NEXCO東日本東北支社の調べでは、2017年11月19日の事故は1日20件で、5〜10月の1日平均(7件)のほぼ3倍でした。2018年11月23日のように平均と同じ7件の年もあります。同支社が2025年11月第1週に東北道などのサービスエリアで調べた冬用タイヤの装着率は38.0%です。結果を発表した11月12日には、東北の高速道路で初雪が観測され始めていました。
今年の初雪がいつになるかは、まだ分かりません。気象庁が9月18日に出した冬(12〜2月)の予報は、冬の3か月の気温や降雪量の見通しで、雪や凍結が始まる日は示していません。
替える日を決める材料は、住んでいる地域の平年の日付と、タイヤ店や整備工場が混み始める時期です。平年の日付には初雪のほかに初霜と初氷があり、地域によっては雪より先に氷が張ります。
タイヤメーカーが示す交換の目安は、初雪の日から数えるものと、気温で見るものに分かれます。
ダンロップ(住友ゴム工業)は、平年の初雪の時期から1か月さかのぼった日を、独自の交換推奨日にしています。早めに替える利点として、同社は急な雪にあわてずに済むことのほかに2つを挙げています。1つは店の混雑で、雪の予報が出ると交換の需要が急に増え、予約が取りにくくなったり、欲しいタイヤの在庫が切れたりします。もう1つは慣らし走行で、新品タイヤの表面に付いた薬品(製造で型から抜きやすくするための離型剤)を落とすために走ります。走る距離の目安は、乗用車と軽トラックで時速80km以下・100km以上、小型トラックで時速60km以下・200km以上です。
ブリヂストンは2026-2027年のカタログで、スタッドレスタイヤは「雪が降ってきてからではなく、気温が下がってきた頃」に付けるよう勧めています。気温によってブレーキの効きが変わるためです。同じカタログは、雪があまり降らない地域でも気温が3度以下になると路面が凍結する恐れがあるとし、3℃を「雪寒対策」を始める目安の気温としています。
コンチネンタルは、気温が7℃を下回ったら交換のタイミングだとしています。最低気温か平均気温かは書いていません。
気象庁は各地の気象台で、その冬に初めて霜が降りた日(初霜)、観測所の屋外に置いた皿の水が初めて凍った日(初氷)、初めて雪が降った日(初雪)を記録してきました。下の表はその1991〜2020年の平均(平年値)です。初雪は積もらなくても数え、1cm以上積もった最初の日は別に平年値があります。冬日は、最低気温が0℃未満の日です。
| 地点 | 初霜 | 初氷 | 初雪 | 初めて1cm以上積もる日 | 冬日の日数(11月/12月) |
|---|---|---|---|---|---|
| 旭川 | 10月9日 | 10月18日 | 10月19日 | 11月4日 | 20.2日/30.3日 |
| 札幌 | 10月25日 | 10月28日 | 10月28日 | 11月12日 | 9.7日/27.6日 |
| 帯広 | 10月11日 | 10月15日 | 11月1日 | 11月24日 | 19.3日/30.4日 |
| 釧路 | 10月20日 | 10月22日 | 11月7日 | 12月1日 | 16.7日/29.2日 |
| 函館 | 10月22日 | 11月2日 | 11月1日 | 11月18日 | 9.7日/26.5日 |
| 青森 | 11月1日 | 11月10日 | 11月8日 | 11月19日 | 4.4日/22.0日 |
| 秋田 | 11月16日 | 11月19日 | 11月15日 | 11月30日 | 1.9日/15.8日 |
| 盛岡 | 10月26日 | 10月31日 | 11月9日 | 11月27日 | 9.8日/25.6日 |
| 山形 | 11月4日 | 11月7日 | 11月16日 | 12月3日 | 3.3日/19.4日 |
| 仙台 | 11月14日 | 11月23日 | 11月17日 | 12月21日 | 0.6日/11.4日 |
| 福島 | 11月12日 | 11月17日 | 11月19日 | 12月12日 | 1.1日/12.4日 |
| 新潟 | 11月27日 | 12月3日 | 11月23日 | 12月15日 | 0.1日/4.1日 |
| 富山 | 11月25日 | 12月2日 | 12月3日 | 12月16日 | 0.0日/4.0日 |
| 金沢 | 12月4日 | 12月13日 | 11月24日 | 12月15日 | 0.0日/1.6日 |
| 福井 | 11月28日 | 12月3日 | 12月3日 | 12月18日 | 0.0日/2.9日 |
| 長野 | 11月1日 | 11月7日 | 11月18日 | 12月10日 | 4.6日/22.4日 |
| 宇都宮 | 11月7日 | 11月14日 | 12月16日 | 1月18日 | 1.4日/16.4日 |
| 前橋 | 11月22日 | 11月22日 | 12月9日 | 1月22日 | 0.1日/7.7日 |
| 水戸 | 11月11日 | 11月16日 | 12月19日 | 1月20日 | 1.2日/15.3日 |
| 甲府 | 11月8日 | 11月13日 | 12月11日 | 1月15日 | 0.9日/15.3日 |
| 東京 | 12月23日 | 12月24日 | 1月3日 | 1月23日 | 0.0日/1.6日 |
| 岐阜 | 11月24日 | 12月2日 | 12月13日 | 1月4日 | 0.0日/4.2日 |
| 名古屋 | 11月30日 | 12月6日 | 12月18日 | 1月7日 | 0.0日/2.8日 |
| 彦根 | 11月27日 | 12月6日 | 12月10日 | 12月28日 | 0.0日/2.0日 |
| 京都 | 11月24日 | 12月2日 | 12月11日 | 1月12日 | 0.0日/2.2日 |
| 奈良 | 11月18日 | 11月24日 | 12月13日 | 1月18日 | 0.0日/3.3日 |
| 大阪 | 12月10日 | 12月17日 | 12月26日 | 1月29日 | 0.0日/0.1日 |
| 鳥取 | 12月9日 | 12月13日 | 12月5日 | 12月18日 | 0.0日/2.2日 |
| 松江 | 11月28日 | 12月4日 | 12月7日 | 12月25日 | 0.0日/1.8日 |
| 岡山 | 12月14日 | 12月17日 | 12月10日 | 2月1日 | 0.2日/7.6日 |
| 広島 | 12月19日 | 12月16日 | 12月8日 | 1月14日 | 0.0日/1.5日 |
| 福岡 | 12月13日 | 12月17日 | 12月16日 | 1月19日 | 0.0日/0.2日 |
| 熊本 | 11月25日 | 12月2日 | 12月16日 | 1月18日 | 0.1日/5.5日 |
「初めて1cm以上積もる日」は、積もった年だけの平均です。30年のうち積もった年は東京で19年、福岡で17年、熊本で12年、岡山で11年、大阪で9年で、積もらない年のほうが多い地点もあります。
表の33地点のうち21地点では、初氷が初雪より先に来ます。差がいちばん大きいのは水戸(33日)、宇都宮(32日)、甲府(28日)です。この3地点では、初雪の平年日から1か月さかのぼった日が初氷の平年日とほぼ重なります。初霜の平年日は、その1か月さかのぼった日より3〜9日早い日付です。新潟、金沢、鳥取などは反対に、初雪が初氷より先です。
気象庁は2025年度の冬から初霜と初氷の目視観測をやめたので、今年は「初氷を観測」という発表がありません。代わりに案内しているのは、推計気象分布などの地図で見る情報と、霜注意報・低温注意報です。この先2週間の最低気温の見通しは、毎日14時30分に出る2週間気温予報で平年値と並べて見られます。ただし2週目は、最低気温の5日間平均で示されます。
今冬の見通しは、9月18日の寒候期予報で、12〜2月の平均気温が東日本と西日本で「高い」確率60%、北日本で「平年並」と「高い」がともに40%です。降雪量は、東日本日本海側と、九州北部地方を除く西日本日本海側で「少ない」確率50%、北日本日本海側で「平年並」と「少ない」がともに40%です。九州北部地方は、季節予報の降雪量の対象に入っていません。どれも12〜2月の3か月を対象にした確率です。
表の地点は、ほとんどが平地の市街地にあります。標高が上がると冷え込みは早く、長野(標高418m)の11月の冬日は平年4.6日ですが、軽井沢(999m)では17.8日あります。
NEXCO東日本東北支社が2023年10月に公表した資料では、2015年以降で高速道路に最も早く雪が降った日は、岩手県と秋田県で10月25日、山形県で10月27日、青森県で10月28日、宮城県と福島県で11月9日でした。最も早かった年の日付なので、30年の平均である表の日付とは数え方が違います。それでも岩手県では、盛岡の平年の初雪(11月9日)より15日早く、高速道路に雪が降った年がありました。
高速道路の冬用タイヤ規制で、どのタイヤなら通れるかはオールシーズンタイヤは「やめたほうがいい」のか―冬用タイヤ規制とチェーン規制で通れるか、スタッドレスと差がつく路面をご覧ください。
ダンロップは交換時期カレンダーで、初雪の平年日をもとに、店の混み具合を「混雑(お待ちいただきます)」と「大混雑(かなりお待ちいただきます)」の2段階で予測しています。2025年版の38都市では、平年日の9〜14日前から混雑、2〜7日前から大混雑が始まり、平年日を過ぎても、カレンダーに表示される月の終わりまで大混雑か混雑が続きます。表示されるのは、交換推奨日の月と平年日の月です。平年日の1か月前から混雑が始まるまでの間が「タイヤ交換推進期間」です。
ダンロップが初雪の平年日を11月1日としている札幌では、2025年版の区分が次のようになっています(表示は10月と11月)。
| 期間 | カレンダーの区分 |
|---|---|
| 10月1〜17日 | タイヤ交換推進期間 |
| 10月18〜24日 | 混雑 |
| 10月25日〜11月16日 | 大混雑 |
| 11月17〜30日 | 混雑 |
カレンダーには「例年のデータに基づいた予測」「天候によりお待ちいただく時間が変わることがあります」と断り書きがあります。ダンロップの平年日は民間の気象会社から提供を受けたもので、上の表の気象庁の値と数日ずれる都市があります(札幌は気象庁だと10月28日)。
東北の高速道路で冬用タイヤを付けている車の割合は、11月第1週から12月第1週まで、毎週12〜17ポイントずつ上がりました。NEXCO東日本東北支社がサービスエリアなどで調べた2022年の値です。
| 調査週 | 冬用タイヤの装着率 |
|---|---|
| 11月第1週 | 36% |
| 11月第2週 | 49% |
| 11月第3週 | 66% |
| 11月第4週 | 78% |
| 12月第1週 | 92% |
| 12月第2週 | 98% |
コンチネンタルは、スタッドレスタイヤの柔らかいゴムはドライ路面で早くすり減るとして、暖かい時期に使うことを勧めていません。ブリヂストンは2017年の乗りものニュースの取材に、ドライ路面で削れやすいことは認めたうえで、近年はドライ路面での走行性を上げた長寿命の製品が増えており、早めに交換しても走行性に影響はないと答えています。
日本自動車タイヤ協会(JATMA)は、冬用タイヤを乾いた路面やぬれた路面で使うときは速度に注意し、急発進・急ブレーキ・急ハンドルを避けるよう求めています。
反対に、新品を雪の直前に付けると、ダンロップが勧める慣らし走行(乗用車で100km以上)を済ませないうちに雪道を走ることがあります。
買い替えが要るなら、在庫が切れる前に動く必要があります。予約の前に見るのは、溝、製造年、ゴムの3つです。
溝には、新品から50%すり減ると表に出る段差(プラットホーム)があり、出ていたらスタッドレスタイヤとしては使えません。ブリヂストンによると、プラットホームの場所は、タイヤの側面に90度おきに4か所ある矢印(→)が指す溝の中です。100円玉を溝に差し込んで「1」の字が見えたら残り溝が半分以下になった目安だと、ブリヂストンは自社のブリザックについて書いています。NEXCO東日本東北支社も、100円玉の「1」が見えたら残り溝約5mmで、交換時期だとしています。
製造年は、タイヤの側面にある4桁の数字で分かります。前の2桁が製造週、後ろの2桁が製造年で、「1220」なら2020年の12週目です。日本自動車タイヤ協会は、使い始めて5年以上たったタイヤは販売店などで点検を受け、製造から10年たったタイヤは見た目に問題がなくても新しいものに替えるよう勧めています。10年は目安で、使用期限を示すものではないとも断っています。新品を買うときの製造年について、ブリヂストンは、販売までの在庫期間中に適正に保管すれば、製造から2シーズンは同等の性能を保つとしています(タイヤ公正取引協議会と共催の試験)。
ゴムについて、ブリヂストンは、硬くなると溝があっても氷の上で十分に効かなくなるとし、性能が落ちやすい原因に偏ったすり減り方(偏摩耗)、外したあとの保管のしかた、ゴムの硬化の3つを挙げています。
NEXCO東日本東北支社は、タイヤの交換時期には脱輪が起きやすいとして、ナットに緩みがないか確かめ、交換したタイヤの空気圧を補充するよう呼びかけています。ブリヂストンによると、タイヤの空気は夏の保管中にも自然に減ります。
大型車では、国土交通省によると、2025年度の車輪脱落事故128件のうち約5割が11月から1月に、5割以上がタイヤ脱着作業後1か月以内に起き、9割以上が左後輪でした。原因について同省は、2022年2月に設けられた検討会の調査・分析で、多くの事故車両でさび取り清掃、潤滑剤の塗布、ナットが滑らかに回るかの点検が不十分で、増し締めやナットの緩みの確認も確実に行われていなかったとしています。
気象庁の平年値で、その冬に最後に雪が降った日(終雪)と、3月・4月の冬日の日数です。
| 地点 | 終雪 | 冬日の日数(3月/4月) |
|---|---|---|
| 旭川 | 5月1日 | 29.5日/14.4日 |
| 札幌 | 4月21日 | 23.3日/3.2日 |
| 帯広 | 4月26日 | 29.0日/11.9日 |
| 釧路 | 5月1日 | 27.3日/11.5日 |
| 函館 | 4月16日 | 23.0日/5.2日 |
| 青森 | 4月15日 | 19.8日/2.0日 |
| 秋田 | 4月10日 | 14.3日/1.4日 |
| 盛岡 | 4月21日 | 23.6日/5.8日 |
| 山形 | 4月11日 | 17.8日/1.9日 |
| 仙台 | 4月9日 | 9.9日/0.4日 |
| 福島 | 4月5日 | 10.1日/0.6日 |
| 新潟 | 4月6日 | 4.7日/0.0日 |
| 富山 | 4月5日 | 5.4日/0.0日 |
| 金沢 | 4月7日 | 2.7日/0.0日 |
| 福井 | 3月31日 | 5.3日/0.2日 |
| 長野 | 4月8日 | 18.4日/3.1日 |
| 宇都宮 | 4月1日 | 8.9日/0.7日 |
| 前橋 | 3月30日 | 4.6日/0.1日 |
| 水戸 | 3月21日 | 8.3日/0.8日 |
| 甲府 | 3月23日 | 5.5日/0.4日 |
| 東京 | 3月9日 | 0.3日/0.0日 |
| 岐阜 | 3月24日 | 2.4日/0.0日 |
| 名古屋 | 3月12日 | 1.6日/0.0日 |
| 彦根 | 3月28日 | 3.1日/0.0日 |
| 京都 | 3月23日 | 1.7日/0.0日 |
| 奈良 | 3月22日 | 4.0日/0.1日 |
| 大阪 | 3月8日 | 0.0日/0.0日 |
| 鳥取 | 3月27日 | 4.4日/0.2日 |
| 松江 | 3月28日 | 3.8日/0.1日 |
| 岡山 | 3月19日 | 4.2日/0.2日 |
| 広島 | 3月24日 | 1.0日/0.0日 |
| 福岡 | 3月7日 | 0.0日/0.0日 |
| 熊本 | 3月6日 | 1.4日/0.0日 |
旭川・帯広・釧路では4月にも冬日が平年で11.5〜14.4日あり、終雪は4月下旬から5月初めです。コンチネンタルは、気温が7℃以上になったら夏タイヤに替えるよう勧めています。ブリヂストンのカタログには、2026年は3月にも季節外れの雪が降ったとあります。
すり減ったスタッドレスタイヤを夏まで履き続けると、止まるまでの距離が伸びます。日本自動車連盟(JAF)が2015年に、プラットホームが出たスタッドレスタイヤと、溝が新品並み(10分山)の夏タイヤを比べた試験では、時速100kmからのブレーキで、乾いた路面が51.1mと47.5m、ぬれた路面が72.2mと47.6mでした。
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