大地震が発生した際、危険なのは激しい揺れや建物の倒壊だけではありません。巨大な津波の押し寄せや、地盤沈下・液状化現象に伴う水の吹き出し、さらには地下水道管の大規模破損によって、車があっという間に冠水・水没してしまう危険があります。
熊本地震でも液状化や水道管破裂による道路冠水が相次ぎ、東日本大震災では津波によって数多くの車両が水没しました。
もし走行中や避難中に車が冠水し、動けなくなってしまったらどう動くべきか?
今回は、「車内からの脱出テクニック」と、水が引いた後に「絶対にやってはいけない禁断の行動」を徹底解説します。
車が冠水し、タイヤが隠れる程度の水深(約50cm以上)になると、外からの「水圧」によってドアを力いっぱい押しても開かなくなります。
さらに恐ろしいのが、電気系統のショートです。
現代の車はパワーウィンドウ(電動窓)やドアロックが電子制御されているため、浸水によってヒューズが飛ぶと、窓が開かず、ドアロックも解除できない「車内閉じ込め状態」に陥ってしまいます。
水が車内に迫ってきたら、一刻も早く車外へ脱出する必要があります。パニックにならず、以下の手順で行動してください。
🚨 【注意】「小銭で割れる」は危険な都市伝説!
「小銭を布や袋に包んで叩く」「スマートフォンで叩く」という噂を聞いたことがあるかもしれません。しかし、JAF(日本自動車連盟)の実証テストにおいて、小銭やスマホ、傘、キーなどで叩いても窓ガラスは一切割れない(×)という結果が出ています。
車の強化ガラスは面への衝撃に非常に強いため、身の回りの物で叩くのは時間と体力を浪費し極めて危険です。💡 ハンマーがない場合の「ヘッドレスト」活用法(テコ割り)
どうしても脱出ハンマーが無い場合、ヘッドレストの金属棒を「窓ガラスとドア枠の隙間(下部)」に数センチ深く差し込み、手前に強く引っ張ってテコの原理で割る方法が唯一の代用手段です。(※叩きつけても割り切れません)
「水が引いたから、車を動かして避難しよう」
そう思って鍵を回したり、スタートボタンを押したりする行動は、絶対にやってはいけません。
冠水・水没した車に不用意にエンジンをかけると、以下の致命的な大事故につながります。
海水やドロ水には塩分や不純物が含まれており、極めて電気が通りやすい状態になっています。
エンジンをかけようとキーを回した瞬間、濡れた配線や電装パーツがショートして火花が飛び、車両火災(自然発火)を引き起こす危険が非常に高くなります。地震直後の混乱の中で火災が発生すると、周囲を巻き込む惨事になります。
エンジン内に水が入った状態でセルモーターを回すと、圧縮できない水によってエンジンの内部部品(ピストンやコネクティングロッド)が破壊されます(ウォーターロック現象)。
一瞬キーを回しただけで、修理不可能な「完全全損」になってしまうのです。
万が一、愛車が冠水・水没してしまった場合は、自分で動かそうとせず以下の手順で対処してください。
水没事故は、「水が車内に迫ってくる」という恐怖からパニックに陥りやすい危険な状況です。
「小銭やスマホで割れる」という誤った噂に頼らず、車内に「脱出用ハンマー」を1本備え付けておきましょう。運転席の手が届く範囲(ドアポケット等)に常備しておくことが、自分と大切な家族の命を守る最大の防犯・防災対策になります。