今回は人命に関わる火災リスクが報告されている2件の乗用車(BMW、トヨタ スープラ)の情報を優先して解説し、最後に産業車両(フォークリフト)の情報を記載します。対象車両を取り扱う整備事業者様、および該当車両のオーナー様は、早急な確認をお願いいたします。
BMWのディーゼルモデルを中心とした計21車種において、重大な不具合が報告されています。
対象車両: BMW X3 xDrive20d、320d、523dなど 計21車種(約2万3000台規模)
不具合の部位: 始動装置(スタータ)※1
エンジンのスタータ内部に組み込まれているリレー(電流を切り替えるスイッチ部品)の耐久性が不足しています。エンジンの始動やアイドリングストップによる再始動を繰り返すことで、リレーの接点が異常摩耗する場合があります。
そのまま使用を継続すると、エンジンが始動できなくなるだけでなく、始動時や走行時にショートを起こし、最悪の場合、火災に至るおそれがあります。
対象台数が多岐にわたるため、入庫車両や所有車両が対象に含まれていないか、至急の確認が必要です。
続いて、BMWとコンポーネントを共有しているトヨタ スープラにおける、同種の不具合と「修理待ち期間の重要なお知らせ」をお伝えします。
トヨタ スープラに関しても、上記BMWと同様の不具合によるリコールが届け出られました。本件は対策品の供給に時間を要するため、修理開始までの間の取り扱いに特別な注意喚起が出されています。
対象車両: トヨタ スープラ(DB22 / DB26 / DB82 / DB86型)
不具合の部位: 始動装置(スタータ)※1
BMWと同様に、スタータ内部のリレーの耐久性不足により、接点が摩耗します。エンジン始動不能に陥るほか、最悪の場合、火災に至るおそれがあります。
メーカーの発表によると、本件のリコール作業(対策品の交換等)の開始は2026年4月1日を予定しています。
修理作業を受けられるまでの間、火災等の重大事故を防ぐため、ユーザーに対して以下の対応が強く要請されています。
エンジンがかかった状態で、車両から離れないこと。
後付けのリモートスタート(遠隔エンジン始動機)を使用しないこと。
エンジンの掛かりが悪くなった等、始動に違和感を覚えた場合は、速やかに販売店へ連絡すること。
整備事業者様におかれましては、対象のスープラが入庫した際、またはオーナー様からの問い合わせがあった際、上記注意事項の確実なアナウンスをお願いいたします。
最後に、産業車両に関するリコール情報をお伝えします。
トヨタの電気式フォークリフトの一部において、灯火器類に関する不適合が報告されています。
対象車両: 3FBK9、3FBK5など(電気式フォークリフトの一部)
不具合の部位: 灯火器類(尾灯・制動灯・後退灯)、後部反射器
全高2.0mを超える特定の車両において、設計時の指示が不適切であったため、尾灯(テールランプ)、制動灯(ブレーキランプ)、後退灯(バックランプ)が装着されていない個体が存在します。また、後部反射器(リフレクター)の取り付け位置が保安基準で定められた基準よりも外側になっており、いずれも保安基準に適合しない状態です。
該当車両を運用されている事業者様は、速やかにメーカー指定の改修を受けてください。
【用語解説】
※1 スタータ(始動装置): エンジンをかけるための強力な電動モーター。「セルモーター」とも呼ばれます。
【引用・参考URL(国土交通省 報道発表資料)】
詳細な車台番号の範囲や製作期間については、以下の国交省発表資料にて必ず原典をご確認ください。
トヨタ スープラ リコール関連:https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha08_hh_005672.html
トヨタ フォークリフト リコール関連:https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha08_hh_005676.html