中古車販売のWECARSが、熊本県宇土市と熊本市の2店舗で、通常9,980円(税込)のエアコンガス補充を無料にしています。バッテリー交換の工賃も無料です。期間は8月31日まで。
車買取のカーネクストは7月29日、動かなくなった車の引き取りや廃車の手続きを相談できる窓口を開きました。別の会社です。対象は地震で車に困っている人で、電話とLINEで受け付けています。
自動車メーカー4社も寄付を発表しました。ただし4社の金額は、そのまま横に並べられません。義援金と支援金と物資が、同じ数字のなかに混ざっています。
WECARSが7月31日から、熊本県内の2店舗で「お車の安心サポート」を始めました。対象店舗はWECARS宇土店とWECARS熊本浜線店の2つです。
無料になるのは5項目です。
バッテリー交換の部品代は別途必要です。工賃だけが無料になります。
実施期間は7月31日から8月31日まで。同社は「本支援サービスは被災された地域の復興状況に鑑み、期間を延長する可能性があります」としています。
この5項目は被災した人への支援として出されたもので、同社は「詳細は店舗スタッフまでお問い合わせください」としています。客に案内するときは、対象や条件を店舗に確かめてもらうところまで伝えるほうが確実です。
オンライン車買取サービスのカーネクスト(運営はラグザス)が、7月29日に「被災車両に関する無料相談窓口」を開きました。電話は0120-301-456。同じ番号を同社は営業時間8時から22時(年中無休)として案内していますが、この相談窓口としての受付は9時から18時です。LINEでも受け付けています。
対象は「今回の熊本県で発生した地震により、車両が被害を受けた方、または車両の引き取り・処分・廃車手続きなどでお困りの方」です。相談できるのは、地震で被害を受けた車、動かなくなった車の引き取り、処分・廃車、廃車に必要な手続きや書類、そして「その他、被災した車両に関する相談」。前の4つに当てはまらなくても、被災した車の相談なら受け付けています。同社は「当社で対応可能な場合には、手続きの代行なども含めてサポートいたします」としています。相談料は無料です。
カーネクストは車の買取を本業にしています。相談の先には買取や廃車の引き取りという取引があります。客に伝えるときは、そこまで含めて案内するほうが後で揉めません。
ただし、すぐに引き取りへ来られるとは限りません。同社は「車両の状態や所在地、周辺の道路状況、安全上の理由等により、車両の引き取り等をすぐに実施できない場合があります」と断り書きを付けています。
書類が手元にない客から相談されることもあります。抹消登録に何が要るか、自動車税がどこまで戻るかは動かなくなった車の抹消登録と自動車税の減免をご覧ください。
廃車予定の客に出せる選択肢は、もう一つあります。日本カーシェアリング協会が7月31日、全国から廃車予定の車350台を募る取り組みを発表しました。受付は8月1日から12月25日まで。集まった車の価値が、被災地での車の無償貸し出しを支える財源になります。
スズキの販売子会社であるスズキ自販熊本が、スズキアリーナ熊本中央とスズキアリーナ玉名の2拠点で、急速充電器を無償開放しています。対象は被災地域で電動車に乗っている人です。期間は示されていません。
熊本県内でEV充電器を無料開放している事業者と拠点は熊本地震でEV充電器が無料開放、熊本県内91拠点をご覧ください。スズキ自販熊本の2拠点は、この91拠点の集計には含まれていません。
ここから2件は、客に案内するものではなく、自治体や避難所、現地で動く団体に向けたものです。
特殊燃料商社の橋本屋が7月31日から、エンジン用燃料「ASPEN4」「ASPEN2」の無償提供を始めました。ASPEN4は発電機などの4サイクルエンジン用、ASPEN2はチェンソーや刈払機などの2サイクルエンジン用です。ASPEN2はオイルを50対1であらかじめ混ぜてあるので、現場で混合する手間が要りません。
対象は自治体・避難所などの団体で、個人宅への配送は行っていません。配送の状況によっては届くまでに時間がかかるとしています。この燃料は自動車やオートバイなど、公道を走る車両には使えません。
CarstayとCarLife Japanは、キャンピングカー2台を熊本県八代市へ送りました。使うのは、被災地で子どもの支援活動をしている認定特定非営利活動法人カタリバのスタッフで、休憩・待機・仮眠の場所として約1か月運用されます。1台は7月31日夜に東京から、もう1台は8月2日に福岡県から移送され、8月2日に設置完了の予定でした。
両車両は4〜6名が就寝でき、走行用エアコンとは別に、エンジンを止めていても大容量バッテリーで動く家庭用エアコンを積んでいます。車のエアコンがエンジンを止めるとどうなるかは車中泊のエアコン―燃料を使っている部品と、エンジンを止める判断をご覧ください。
ニュースリリースを確認できた四輪・二輪メーカーは、トヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車、スズキ、マツダ、SUBARU、三菱自動車、ダイハツ工業、日野自動車、三菱ふそうトラック・バス、ヤマハ発動機の11社です。リリースの一覧を開けなかった社は、この11社に入れていません。このうち、8月3日までに被災地への支援を発表したのは4社でした。
| 社 | 発表日 | 金額と内訳 | 寄付先 | お金以外 |
|---|---|---|---|---|
| 本田技研工業 | 7月29日 | 義援金5千万円 | 熊本県 | 発電機などの自社製品、食料品、日用品/通行実績情報マップの公開 |
| トヨタ自動車 | 7月31日 | 総額3,000万円(3団体への合算) | 日本赤十字社、中央共同募金会、ジャパン・プラットフォーム | 給電車の派遣、車両貸与、物資提供、災害ボランティア |
| 日産自動車 | 7月31日 | 支援金と救援物資あわせて総額5,000万円相当。うち支援金が3,000万円 | ジャパン・プラットフォーム(支援金分) | 販売会社・部品販売会社などと連携した救援物資 |
| スズキ | 7月31日 | 義援金1,000万円 | 日本赤十字社 | スズキ自販熊本の2拠点で急速充電器を無償開放(拠点名は前掲) |
ホンダは義援金と物資に加えて、自社のドライブデータを使った道路通行実績情報をゼンリンデータコムの「いつもNAVI」で公開しました。地図で通行可否をどう確かめるかは九州道・南九州道は橋桁のずれと路面段差で9区間が通行止めをご覧ください。
4社が挙げた寄付先は、熊本県、日本赤十字社、中央共同募金会、ジャパン・プラットフォームの4つです。
同じ「寄付」でも、届く先が違います。
ホンダの寄付先は熊本県です。県は7月29日に義援金口座を開き、受付期間を10月30日までの予定としています。スズキの寄付先は日本赤十字社で、日赤に集まった義援金は全額が被災した県の義援金配分委員会へ送られます。日赤が8月3日時点で挙げている配分先は熊本県で、被災地が複数になる場合は被災状況に応じて配分されるとしています。
中央共同募金会が今回集めているのは義援金ではなく、「災害ボランティア・NPO活動サポート募金」という支援金です。同会は「被災地の災害ボランティアセンター等と連携して行う、ボランティアグループ・NPO団体等の活動を助成対象とします」としています。このお金は、現地で動く団体の活動費に回ります。ジャパン・プラットフォームへの寄付も、加盟するNGOが行う被災者支援のプログラムに使われます。
トヨタは発表の見出しを「義援金・支援金」としています。3,000万円は3団体への合算で、団体ごとの内訳は公表されていません。この額のうちどれだけが被災者へ配られ、どれだけが活動費に回るかは、発表からは分かりません。
日産が使った語は「支援金」で、寄付先はジャパン・プラットフォームだけです。5,000万円相当は救援物資を含んだ数字で、現金は3,000万円。その3,000万円は「マッチングギフト充当分を含む」とされており、社員からの寄付にひもづく分がどれだけかは公表されていません。
各社が発表の中心に置いた額を並べると、5,000万円が2つ、3,000万円が1つ、1,000万円が1つです。日産の3,000万円は、この5,000万円相当の内数にあたります。中身は、最終的に被災者へ配られる義援金、団体の活動費に回る支援金、救援物資の分、社員からの寄付にひもづく分が混ざっています。同じ物差しで測ったものではありません。
日本自動車工業会は7月29日、佐藤恒治会長名でコメントを出しました。金額や具体策は含まれていません。
自動車関連においても、販売店、サプライヤーなどを含め、多くの仲間が被害を受けておられます。自動車産業550万人の安全・安心の確保に向け、業界一丸となって対応にあたってまいります。
続けて「政府や関係自治体等と密接に連携し、被災地の状況やニーズを現地現物で確認しながら」対応するとしています。何をするかは、この時点では書かれていません。
日本自動車販売協会連合会は、8月3日時点でトップページにお見舞い文を掲げ、日本道路交通情報センターの通行実績情報を案内しています。
整備の側はどうか。日本自動車整備振興会連合会が公開しているお知らせには、8月3日時点で地震に関する項目がありません。JAFが公開しているお知らせのうち、地震に関するものは郵便物の到着遅延の告知だけです(8月3日時点)。ただし団体の会員向け通知は公開ページに出ないことがあり、熊本県自動車整備振興会など地元の団体の動きは、この記事では追えていません。
リリースを確認できた部品・タイヤのメーカーは、アイシン、豊田合成、ジェイテクト、豊田自動織機、ブリヂストン、住友ゴム工業、横浜ゴム、TOYO TIREの8社です。四輪・二輪のときと同じく、リリースの一覧を開けなかった社は、この8社に入れていません。8月3日時点で、この8社から寄付や物資の発表は出ていません。
出ているのは状況の報告だけです。アイシンは7月29日に「令和8年熊本地震」の影響に関するお知らせを出し、熊本県内の関連子会社の従業員全員の無事を7月29日15時30分時点で確認したと伝えました。寄付や物資には触れていません。
部品の供給が九州の外へどう及んだかは岡山の三菱自動車まで生産停止―熊本の部品と半導体が止まると九州の外へ波及するをご覧ください。整備士オンラインは、令和8年熊本地震の状況を追っていきます。
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