車検証閲覧アプリの使い方―スマホとPCの読み取り手順、読み取れないときに確かめる所、PDFの出し方
電子車検証の券面には、車検の有効期間の満了日も、所有者の氏名・住所も、使用者の住所も載っていません。これらは裏面のICタグに記録されていて、国土交通省の車検証閲覧アプリで読み取ります。券面の二次元コードをスマートフォンのカメラで写しても、有効期間は出てきません。
読み取りに使えるのは、NFCに対応したスマートフォン(Androidならタブレットも)か、規格の合うICカードリーダーをつないだWindowsのPCです。PC版は2026年10月12日21時ごろに強制アップデートが予定されていて、そのあとはそれまでの3.2.0では使えません。
読み取れないときに確かめる所は、iPhone、Android、PCで違います。エラーが出ないまま、何も表示されないこともあります。
使える端末
| 端末 | 国土交通省が示す動作環境 |
|---|
| スマートフォン | iPhone(iOS 18、iOS 26)、Android(13〜16)。NFCに対応した機種 |
| タブレット | AndroidのNFC対応機種。iPadはNFCが無いため対象外 |
| PC | Windows 11 バージョン24H2に、ICカードリーダーをつなぐ |
ICカードリーダーは、ISO/IEC 14443 TypeAとPC/SCに対応した非接触型が要ります。メーカーから動作を確かめたと報告のあった機器の一覧(2026年4月9日更新、16社)が、電子車検証特設サイトに載っています。
PC版の動作環境にMacは挙がっていません。Windows 10は、2025年10月のサポート終了のあと動作確認の対象から外れていて、国土交通省はWindows 11への切り替えを勧めています。
読めるのは、2023年1月以降に交付された電子車検証です(軽自動車は2024年1月から)。それより前に交付された紙の車検証にはICタグがありません。コピーからは読めず、原本が要ります。使えるのは原本を持っている人か、原本を見せてもらえる人で、点検整備や検査のために預かっている人も含まれます。
スマートフォンで読み取る手順
- App StoreかGoogle Playで「車検証閲覧アプリ」を入れます。電子車検証特設サイトの「インストール」ボタンや、車検証の裏面に印字された専用のQRコードからも、入手先に進めます。
- iPhoneは、Face IDかTouch IDを一度は有効にしておきます。一度でも有効にしたことがあれば、いまオフにしていても読み取れます。
- アプリで「読取開始」を押します。
- 券面に記載された4桁のセキュリティコードを入れ、「次へ」を押します。
- Androidは、本体裏面のかざす位置を示すマーク(モバイル非接触IC通信マーク)に、車検証裏面のICタグを近づけます。iPhoneは、もう一度「読取開始」を押してから、本体の上部にICタグを近づけます。
- 動かさずに待ちます。読み取りに5秒以上かかることがあります。終わると車検証の情報が表示されます。
スマートフォンで一度に読めるのは1枚です。機種を変えたときは、前の端末で読んだ情報も設定も引き継げないので、新しい端末で読み直します。
Windows PCで読み取る手順
- ICカードリーダーのUSBケーブルをPCにつなぎます。機種によっては、メーカーのサイトからドライバーを入れます。
- 電子車検証特設サイトの「車検証閲覧アプリについて」のページで「インストール」を押し、Microsoft Storeからアプリを入れます。Microsoftアカウントの作り方は、同じサイトの「閲覧アプリの概要と事前準備」に載っています。
- 初めて起動するときは、インターネットにつないでおきます。オフラインモードで使うつもりでも同じです。起動は、スタートの検索に「車検証閲覧アプリ」と入れて選びます。
- 利用規約を最後までスクロールすると、「同意する」が押せるようになります。
- 画面左の「読取開始」を押し、4桁のセキュリティコードを入れて「次へ」を押します。車検証は、まだリーダーに載せません。セキュリティコードより先に載せていると、読み取りエラーになります。
- リーダーにICタグの部分を密着させ、動かさずに待ちます。リーダーが「ピッ」と鳴っても、すぐには離しません。完了の画面で「完了」を押すと、車検証の情報が表示されます。
何台か続けて読むときは「連続読取開始」を使います。一度に読める枚数は、PC版で100枚までです。アプリを閉じると読み取った情報は消えますが、PCに保存したPDFは残ります。
会社のPCに入れるとき
Microsoft Storeが使えないように制限された会社のPCには、特設サイトの同じページから「サイドローディング版」をダウンロードして入れます。Windows 11のLTSC版には、その下に別に置かれたLTSC版向けのファイル(MSI形式)を使います。手順書もそれぞれ別にあります。
通常のサイドローディング版を開いて「この種類のファイル(.msixbundle)を開くことはできません」と出るときは、PCがいまのインストーラーの形式に対応していない可能性があります。動作環境を確かめたうえで、これまで旧形式のサイドローディング版を使ってきたPCは、LTSC版向けのボタンのほうからダウンロードします。
インストールの画面で発行元が「不明」になり、インストールのボタンが押せないことがあります。通信が制限された環境では、インストールに要るルート証明書と中間証明書が自動では入りません。そのときは手順書「PCアプリ(サイドローディング版)のインストールについて」に従って、DigiCertの「DigiCert Trusted Root G4」(ルート証明書)と「DigiCert Trusted G4 Code Signing RSA4096 SHA384 2021 CA1」(中間証明書)を手で入れてから、もう一度インストールします。
起動したときにユーザー名とパスワードを求められることがあります。会社のネットワークが、外のインターネットにつなぐ前に認証を求める設定(認証付きプロキシ)になっている場合で、入れるのは会社のネットワーク側の認証情報です。
PC版を新しい版にする
10月12日に予定されている強制アップデートのあとも使い続けるには、新しい版が要ります。Microsoft Storeから入れたアプリは、ストアで更新します。サイドローディング版は、特設サイトから新しいファイルをダウンロードして入れ直します。
サイドローディング版の入れ直し方は、いま入っているアプリの種類で分かれます。Windowsの「設定」の「アプリ」から「インストールされているアプリ」を開き、「車検証閲覧アプリ」の横の「…」を押して、出てくるボタンで見分けます。
| 出てくるボタン | 入れ直し方 |
|---|
| 「詳細オプション」「移動」「アンインストール」 | 新しいファイルを実行し、「更新」を押す |
| 「変更」「アンインストール」 | コントロールパネルの「プログラムと機能」でいったんアンインストールしてから、新しいファイルを実行してインストールする |
読み取れないときに確かめる所
画面にコードが出たとき
| コード | 意味 | 確かめること |
|---|
| E10001 | セキュリティコードが違う | 券面の4桁を入れ直す |
| E20001 | スマートフォンで読み取れなかった | 素早く当てたり、すぐ離したりしていないか。金属製の机の上や、金属製のケースを付けたままで読んでいないか |
| E20002 | ICカードリーダーで読み取れなかった | 素早く当てたり、すぐ離したりしていないか |
| E30003 | NFCが有効になっていない | 端末のNFCの設定、充電中でないか |
| E30004 | 読み取れるICカードリーダーが見つからない | リーダーの接続、ドライバー、Smart Cardサービス(下の「PC」)。リーダーの規格(上の「使える端末」) |
| F30001 | 読み取りに失敗した | ICタグが壊れている可能性がある。使用の本拠の位置を管轄する運輸支局等で再交付を申請する。軽自動車は、使用の本拠の位置を管轄する軽自動車検査協会の事務所・支所・分室で申請する |
| E08020、EK8020 | 車検証が無効 | 再交付を受ける前の古い車検証を読んでいないか。当てはまらなければ、車検証を手元に置いて近くの運輸支局等(軽自動車は軽自動車検査協会)へ問い合わせる |
| F20001、F09902、F09010 など | システム側のトラブル | 時間をおいてやり直す。中身を見るだけなら、オフラインモードで読めることがある |
| F29999 | 予期しないエラーでアプリが終了した | アプリを起動し直す |
エラーが出ないまま情報が表示されないときは、当てる位置がずれていることがあります。iPhone以外では、読み取りの画面のまま60秒たつとメッセージが出ます。
どの端末でも
アプリの版が古いと使えません。強制アップデートのあと、それまでの版は使えなくなります。iOS版とAndroid版の最新は2026年9月7日に出た7.0.0で、これも強制アップデートの扱いです。
電子車検証をコピー機の自動原稿送り(フィーダー)に通すと、機械の形によってはICタグが大きく折れて壊れることがあります。ICタグが壊れたときは、上の表のF30001の行の窓口(軽自動車は軽自動車検査協会)で再交付を申請します。
スマートフォン
- 端末のNFCが有効になっているか。充電中はNFCを使えない機種があります
- iPhoneは、手順2のFace IDかTouch IDを一度でも有効にしたか
- Android 15以降の「プライベートスペース」に入れたアプリは、一部の機能が使えません。メインのスペースに入れ直します
- Androidで、アプリを開くと画面が真っ黒になる機種があります。一部の機種にあるメーカー独自の、ナビゲーションバーを非表示にする設定が原因と分かっていて、ナビゲーションバーの設定を「表示」に切り替えます
- Androidの一部の機種は、オフラインモードで読み取れません。オンラインモードで読みます
PC(ICカードリーダー)
- リーダーがPCに認識されているか。Windowsの「設定」の「Bluetoothとデバイス」で「その他のデバイスを表示」を開き、「その他のデバイス」にリーダーの機種名があれば認識されています
- ドライバーが要る機種なら、入っているか。コントロールパネルの「プログラムのアンインストール」の一覧で、リーダーのドライバーを探します
- Windowsの「サービス」の一覧で、「Smart Card」のスタートアップの種類が「自動(トリガー開始)」、状態が「実行中」になっているか
- ICカードリーダーを複数つないだPCでは、アプリの「設定」の「ICカードリーダ接続設定」で、車検証に使うリーダーを選んで「設定を更新」を押します。この設定は、ETCセットアップのシステムを入れたPCでアプリが使えなかった不具合への対処として加わりました。選択肢にリーダーが出てこないときは、上の認識の確認に戻ります
- スマートフォンをPCにつないで、リーダーの代わりに使うことはできません
- アプリの画面が見切れるときは、Windowsの画面の解像度を800×600以上にするか、拡大縮小を100%にします。アプリの最小の大きさが800×600です
オンラインモードで読めないとき
アプリの設定で「オフラインモードを有効にする」を選ぶと、インターネットを使わずにICタグの中身だけを読みます(PC版は続けて「設定を更新」を押します)。オフラインでは、備考欄の一部の表示、PDFの保存、二次元コードやリコール情報などの表示、次回の自動車重量税額などの照会が使えません。ICタグの容量が足りず、備考欄をすべては記録できていない車もあり、その場合はICタグの記録の末尾にその旨が出ます。
アプリのメンテナンスでオンラインモードが使えないあいだに、指定整備工場が完成検査で車の同一性を確かめる場合の扱いを、特設サイトのよくある質問が示しています。オフラインモードで読んだ情報が最新ですべてだと判断できるなら、電子車検証とその情報で確かめて差し支えなく、そう判断できないなら、その情報では確かめません。こうした扱いをしたときは、指定整備記録簿などに記録を残しておくのが望ましいとしています。
読み取った情報をファイルに出す
アプリから出せるファイルは2種類あり、どちらもオンラインモードのときだけ出せます。
| ファイル | 中身 |
|---|
| 自動車検査証記録事項(PDF) | 電子車検証の発行時や更新時に出される書面と同じもの。券面に無い情報も含め、車検証の情報がすべて載る |
| 車検証情報取込みファイル(JSON・XML・CSV) | 車検証の情報をデータで書き出したもの。OSS申請(自動車保有関係手続のワンストップサービス)や、各社のシステムに取り込める。項目の仕様書は特設サイトの事業者向けページにある |
PCで出す
- 読み取ったあと、一覧から車を選び、画面右上の個別ダウンロードのボタンを押します。
- 「車検証記録事項PDFを出力」か「車検証情報取込みファイルを出力」を選びます。
- 保存先を固定していなければ、保存先を選んで保存します。
JSON・XML・CSVのどれで出すかは、「設定」の「車検証情報取込みファイルの出力設定」で選び、「設定を更新」を押して保存しておきます。同じ画面の「ダウンロード保存先を固定する」は、オンなら決めたフォルダに保存され、オフなら保存のたびに保存先を選ぶ画面が出ます。こちらも切り替えたら「設定を更新」を押します。読み取った車が何台かあるときは、一斉ダウンロードのボタンでまとめて出せます。ただし、オフラインで読んだ分は含められません。
スマートフォンで出す
- 読み取ったあと、画面右下のダウンロードのボタンを押し、「PDFを保存」を選びます。手順書では、続けて次の操作で端末に保存するよう案内されています。
- アプリのホーム画面のファイル一覧から、端末に保存したいPDFを選びます。
- iPhoneは、共有シートを開いて「“ファイル”に保存」を選びます。Androidは、3点のアイコンから「ダウンロード」を選びます。保存先を変えていなければ「Download」フォルダに入ります。
JSON・XML・CSVは、ダウンロードのボタンから「車検証情報読み込みファイルを保存」を選び、形式を選んで端末に保存します。アプリのファイル一覧に出るのはPDFだけなので、こちらは保存したファイルを自分で管理します。
ファイル名と印刷
PDFのファイル名は、年・月・日・時・分・秒を並べた14桁の数字、アンダーバー、自動車登録番号の順で付きます。
アプリで出したPDFには電子署名が付いていて、アプリで出したものか、書き換えられていないかを確かめられます。確かめられるのは電子データのままのときだけで、印刷した紙では確かめられません。アプリの手順書に印刷の操作は無く、紙が要るときは保存したPDFを印刷します。
スマートフォンもPCも無いときは、運輸支局などの窓口の近くに置かれた印刷端末で、同じ書面を印刷できます。
スマートフォンとタブレットのアプリは、オンラインモードで読み取ったあとに出る画面で通知を「設定する」を選び、端末の側でもアプリの通知を許可しておくと、有効期間の満了が近づいたときや過ぎたとき、災害で有効期間が伸長されたときに通知が届きます(1つのアプリで10台まで)。申請によって新しい電子車検証が発行されると通知の設定は止まるので、新しい車検証を読み取り直して設定し直します。
令和8年熊本地震では、九州運輸局が有効期間の伸長をこれまでに3回公示しています。2026年9月29日の3回目は、熊本市、宇土市、宇城市、美里町、御船町、嘉島町、益城町、八代市、氷川町に使用の本拠の位置がある車のうち、満了日が7月29日から10月31日までのものを11月2日まで伸ばしました。1回目の公示の中身と、検査標章で満了日を見る方法は【令和8年熊本地震】車検の有効期間の伸長(1回目の公示)をご覧ください。
アプリは強制アップデートのたびに使える版が変わります。整備士オンラインは追っていきます。
出典
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