最近の整備現場で話題もちきりの「エーミング(機能調整)」について
昔なら「バンパー交換? 30分で終わるよ!」なんて気軽に言えましたが、今はそうはいきません。
衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)やレーンキープアシストなど、先進安全装置(ADAS)が付いた車は、カメラやレーダーが少しでもズレると正常に作動しなくなるからです。
今回は、特定整備の対象となる作業を例に、私たちプロがどんな手順で「見えないセンサーの調整」を行っているのか、その裏側を解説します。
「センサーなんて触ってないのに、なんで調整が必要なの?」
そう思う方も多いでしょう。でも、自動ブレーキ用のカメラはフロントガラスに、ミリ波レーダーはバンパーやグリルに付いていることが多いんです。
資料によると、これらの部品を脱着したり、足回りの整備で車高が変わったりした場合は、「特定整備(電子制御装置整備)」としてエーミング作業が必要になります。
もしこれをサボると、いざという時にブレーキが効かなかったり、誤作動を起こしたりする恐れがあります。これらは電子制御装置なので、目視だけでは正常かどうかの判断ができません。
エーミング作業には、いつものレンチやドライバーとは違う、特殊な道具が必要です。
作業は大きく分けて「環境設定」と「書き込み」のステップです。
作業中に一番気を使うのが「映り込み」や「誤認識」です。
資料には「ターゲット以外を誤認識しないよう、周辺を無地の段ボールや板で隠す措置を行う」という、現場ならではの注意点が記されています。
私たち整備士は、ただ部品を交換するだけでなく、こうした「環境」にも気を配りながら作業しています。
作業が終わったら、スキャンツールで故障コード(DTC)を消去し、システムが正常であることを確認します。
そして重要なのが、「特定整備記録簿」への記載です。
「カメラを交換し、その後エーミング作業を行った」といった整備の概要を記録簿に残すことが法律で義務付けられています。
これが、あなたの車の安全装置が「正常な位置を見ていますよ」という証明になります。
最近の車は、板金修理やガラス交換をすると、このエーミング費用が追加でかかります。「高いなぁ」と思われるかもしれませんが、家族の命を守るための大切な工程です。修理を依頼する際は、「エーミングまでしっかりできる工場ですか?」と聞いてみると安心
ですよ。