ガソリン税の暫定税率を廃止する法案が、11月28日に可決されました。暫定のガソリン税は12月31日に廃止される見通しになります。
計算上は、補助金が暫定税率分と同等の1リットルあたり25.1円となり、理論的には補助金引き上げ前に比べ、ガソリン価格は1リットルあたり約15円安くなる計算になります。
また、軽油引取税の暫定税率も2026年4月1日に廃止されることで、燃料費の高騰にも歯止めがかかりそうです。
現在、政治の焦点となっている「トリガー条項の凍結解除(減税)」ですが、この議論の背景には、80年以上前の古い税制と、EV普及による将来の財源不足という二重の構造的問題が潜んでいます。
最新の政治情勢と歴史的背景を合わせ、3つの視点で解説します。
日本のガソリン税が「高い」と言われる最大の理由は、税金にさらに消費税がかかる複雑な仕組みにあります。
歴史的背景
ガソリン税は1937年、戦時中の財源として始まりました。その後「道路特定財源(道路を作るためのお金)」とされましたが、2009年からは使い道が自由な「一般財源」に変わっています。
Tax on Tax(二重課税)
現在のガソリン価格には、1リットルあたり53.8円の税金(本則税率+特例税率)が含まれています。問題は、「ガソリン本体+ガソリン税」の合計額に対して、さらに消費税(10%)がかかる点です。
現状: ガソリン代の約半分は税金であり、消費者は「税金に対しても税金を払っている」状態です。

現在、国民民主党が求めているのが、この「上乗せされている税金」を一時的に止めることです。

将来を見据えた時、無視できない重要な視点が「これからガソリン税が取れなくなる」という課題です。

今のガソリン税の議論を整理すると、以下のようになります。
| 視点 | 課題 |
|---|---|
| 短期(今) | 物価高対策として、「補助金(現状維持)」か「減税(トリガー発動)」かの政治決着が必要。 |
| 中期(制度) | 戦時中から続く「二重課税」や、本来の目的(道路整備)から外れた課税のあり方をどう正すか。 |
| 長期(未来) | EV化でガソリン税収が減る中、道路維持費を誰がどう負担するか(走行距離課税などへの移行)。 |
現在は「103万円の壁」とセットで「短期的な値下げ」に注目が集まっていますが、本質的には「自動車関係の税金システム全体が、今の時代(EV化・地方の疲弊)に合わなくなっている」ことが根本原因と言えます。