自動車整備振興会の技術講習は、修了すると国の検定の実技試験が2年間免除されます。整備工場で働きながら二級・三級を取る人が、実技試験を受けずに済ませるための道です。
その二級・三級の講習が、2026年度の後期から順に「総合」へ替わります。受付は愛知県が8月24日、神奈川県が8月25日、東京都が8月26日に始まります。大阪府・福岡県・鹿児島県は9月7日から11日までの5日間です。
後期に講習を置かない県も、二級と三級で開講が半年ずれる県もあります。どこで受けるかで、実技免除が使えるようになる時期が1年ずれます。
技術講習の募集は、前期と後期の年2回です。後期の予定を確かめた10の都道府県のうち、受付の日まで載せていたのは次の6つでした。
いちばん早い愛知県は8月24日から。大阪府・福岡県・鹿児島県の受付は5日間で閉じます。大阪府は「定員になり次第締め切りますので、早めにお申し込みください」と書いています。神奈川県も、定員に達し次第締め切るとしています。逆に、人が集まらなければ開かないとする会もあり、愛知県は「申込の少ない場合は休講とします」、鹿児島県は「受講希望者が少ない時は、実施できない場合があります」としています。
募集要項を確かめた6つの会(愛知・神奈川・東京・大阪・福岡・鹿児島)で、どこにも要るのは受講申込書、受講資格を証明する書面(三級の合格証書や卒業証書など)、受講料(払い方は下記)の3つです。そのほかは会で違います。
受講資格の実務経験は、申込みの時点ではなく講習が終わる時点を基準に数えます(愛知県と鹿児島県は修了日の前日、神奈川県は修了日まで、大阪府は2027年2月下旬の時点)。いま2年に足りない人でも、修了の日までに届くなら申し込めます。修了は早い会で2027年2月、福岡県は2027年4月30日の予定です。福岡県と東京都の募集要項には数える時点が書かれていないので、この2つは会に確かめてください。
払う額も会によって差があります。二級(総合)で、鹿児島県が会員79,000円・一般101,000円(傷害保険料とテキスト代を含む合計額)、愛知県が会員103,500円・会員外106,500円(資料・教科書代を含む)、神奈川県が会員84,300円・準会員122,400円・一般144,000円(テキスト代を含む)、大阪府が一般93,548円(教材費を含む)です。
大阪府は、本教場の二級(総合)のうち日曜コースと平日夜間コースが教育訓練給付金の対象になる予定で、いま講座指定を申請しています。平日昼間コースの三級(総合)と三級(二輪)は人材開発支援助成金の対象で、支給の要件は大阪府の募集要項に別に載っています。愛知県も、講習が人材開発支援助成金の対象だと書いています。
各会が公表している後期以降の予定は、次のとおりです。
| 振興会 | 二級(総合)・三級(総合)の講習をいつ開くか |
|---|---|
| 秋田県 | 三級(総合)は9月29日から。二級(総合)は2027年4月から |
| 東京都 | 二級(総合)は本部の夜間コースと立川教場が10月5日、本部の日曜コースが10月11日。三級(総合)は本部の夜間コースが10月5日、日曜コースが10月11日。いずれも2027年3月まで。三級(総合)には2027年1月21日から2月26日の平日連続コースもある |
| 神奈川県 | 二級(総合)は10月1日・10月2日・10月11日、三級(総合)は10月1日・10月2日・10月6日・10月11日(会場とコースによる) |
| 愛知県 | 三級(総合)は三河が10月8日・小牧が10月14日、二級(総合)は三河が10月9日・小牧が10月15日。2027年2月下旬に修了 |
| 大阪府 | 二級(総合)・三級(総合)を10月上旬から2027年2月下旬まで |
| 山口県 | 後期は置かない。三級(総合)は2027年4月、二級(総合)は2027年10月から |
| 福岡県 | 二級(総合)・三級(総合)を11月上旬から。2027年2月下旬に閉講し、修了は2027年4月30日の予定(福岡本教場) |
| 大分県 | 二級・三級とも10月から |
| 宮崎県 | 11月から2027年2月まで |
| 鹿児島県 | 二級(総合)・三級(総合)は10月10日に開講し、2027年3月6日に修了 |
年を書いていない月日は2026年です。各会が「予定」としているものを含みます。福岡県は福岡本教場の日程で、ほかの分教場は別に案内されます。
終わりの日は、会によって出しているものが違います。修了日を公表しているのは愛知県・鹿児島県・福岡県の3つで、東京都・大阪府・宮崎県の「〜まで」は講習期間の終わりです。福岡県は両方を出していて、閉講(2027年2月下旬)と修了(2027年4月30日)が3か月空きます。秋田県・神奈川県・大分県が出しているのは開講の予定だけです。実技免除は修了の日から2年間なので、修了がいつになるかは会に確かめてください。
表に載せたのは二級(総合)と三級(総合)だけです。ほかの種目を置く会もあり、確かめた範囲では、三級(二輪)が東京都(10月28日から)・神奈川県(10月14日から)・大阪府(10月上旬から)、自動車電気・電子制御装置が東京都(10月8日から)・愛知県(10月14日から)・鹿児島県、自動車車体・電子制御装置が愛知県(10月14日から)・鹿児島県、一級小型が鹿児島県です。愛知県と鹿児島県では、車体と電装の申込先が振興会ではなく各組合になります。
この10の会のうち、10月に開くのが東京・神奈川・愛知・大阪・大分・鹿児島の6つ、11月が福岡・宮崎の2つ。秋田県は9月末に三級(総合)だけを始めます。山口県は後期を「新整備士制度への準備期間」として講習を置きません。
二級(総合)は、早い会が2026年10月1日(神奈川県)に始まり、いちばん遅い山口県は2027年10月。同じ講習で、1年開いています。
大分県自動車整備振興会は、資料にこう断っています。
※上記の日程は大分県自動車整備振興会で行う講習を受講した場合です。各都道府県により講習の期間が違いますので、当会以外の講習を受講する方は、受講する講習所にお問合せください。
国の検定は、学科試験と実技試験に分かれます。振興会の技術講習は、実務経験のある人を対象にした養成施設として国の指定を受けていて、修了すると修了の日から2年間、実技試験が免除されます。ただし免除が効くのは、修了した種目に対応する実技だけです。2027年1月に施行される新しい規則でも同じです。
自動車整備技能登録試験中央委員会は、この点を例つきで示しています。
実技試験の免除は、修了〈卒業〉した種目に発生します。
(例)2級ガソリン養成課程修了者が2級(総合)の試験を受験しても実技試験の免除は受けられません。
同じ資料は、受ける試験の選び方も案内しています。現行の養成課程を修了(卒業)した人には「新試験開始後も現行の試験を受験してください」、新しい養成課程を修了(卒業)した人には「新試験を受験してください」と書いています。ここでいう養成課程には、振興会の技術講習も、専門学校や高校の自動車科も入ります。
秋田県自動車整備振興会は、10月4日の学科試験を申請する人に向けて、先に注意を出しました。
※現行の学科試験を合格後に、同種目の振興会技術講習を受講することはできません。
同会では現行の講習が前期で終わったので、10月の学科に受かっても、対応する講習をあとから受けて実技免除につなげられません。同会は、実技免除の講習を受けるつもりなら2027年3月の新制度の試験から申し込むことになる、としています。
講習が残っている県でも、時期は自分で確かめることになります。宮崎県自動車整備振興会は、現行の登録試験に合格したあとで講習を受ける人に、現行の講習の実施計画を確かめてから申し込むよう求め、「学科試験合格のタイミングによっては技術講習が実施されず,実技試験の免除が受けられません」と書いています。
専門学校のように実務経験のない人を対象にした養成施設では、現行の課程を修了した人が、2028年4月1日から新しい課程の修了者として扱われます(一級の課程は2029年4月1日から)。ただしこれが効くのは受験資格を見るときだけで、実技試験の免除には効きません。振興会の技術講習には、この扱いそのものがありません。
登録試験を実施しているのは日本自動車整備振興会連合会(日整連)だけで、日程表も全国で1本です。この試験に合格すると、同じ種目の国の検定試験が2年間免除されます。講習の修了で効くのは、検定でも登録試験でも実技試験の免除です。
令和8年度第2回(第114回)の日程は次のとおりです。
この回から新制度の学科試験が始まります。日整連の日程表に載っている新制度の実施種目は5つです。
新制度でも、この回に始まらない種目があります。二級自動車整備士(二輪)は2027年10月から、一級自動車整備士(総合)は2028年3月からです(秋田県自動車整備振興会)。自動車タイヤ整備士は、中央委員会が新制度でも試験を実施しないとしています。
3月14日には現行の種目も10種目並びます。
実技試験は、学科と違って種目ごとに実施する回が変わります。二級ガソリンと三級自動車シャシの実技があるのは1つ前の第113回で、2027年1月17日です。その受付は2026年7月31日に終わっています。
現行の試験がいつまで残るか。国の検定は、現行制度の受験資格を満たす人が受けるぶんについて、2028年3月31日まで(一級の検定は2029年3月31日まで)これまでどおり行えることになっています。
日整連が行う登録試験のほうは、中央委員会が終わりを日付で示していません。現行の学科試験は「現行制度における実技試験免除期間内の者(養成施設等を修了〈卒業〉してから2年間)がなくなり次第、原則終了します」と書いています。実技試験のほうは「実技試験受験資格を有する者(学科試験合格から2年間)がなくなり次第、原則終了します」としています。県ごとの見通しは、宮崎県が現行の登録試験を2028年3月まで実施する予定、大分県と山口県が2028年3月まで新旧を並行して行うという案内です。
受験に必要な実務経験は、2025年7月8日の改正で短くなりました。三級は1年から6か月へ、二級は三級に合格してから3年だったのが2年になりました。現行の種目で受けるときは、次のとおりです。
新制度の種目は、年数が同じで、起点になる資格の名前だけが変わります。
いま持っている現行の三級は、切替後に三級(総合)に合格しているものとして扱われます。二級(総合)を受けるときの起点は、その合格日のままです。
新旧どちらでも、必要な実務経験は学科試験の日の前日までに満たしていれば足ります。
取り直しは要りません。2027年1月からは、いま持っている資格が、新しい名前の資格に合格しているものとして扱われます。
| いま持っている資格 | 合格しているものとして扱われる資格 |
|---|---|
| 一級大型/一級小型 | 一級自動車整備士(総合) |
| 一級二輪 | 一級自動車整備士(二輪) |
| 二級ガソリン/二級ジーゼル | 二級自動車整備士(総合) |
| 二級自動車シャシ/二級二輪 | 二級自動車整備士(二輪) |
| 三級自動車シャシ/三級自動車ガソリン・エンジン/三級自動車ジーゼル・エンジン/三級二輪 | 三級自動車整備士(総合) |
| 自動車電気装置 | 自動車電気・電子制御装置整備士 |
| 自動車車体 | 自動車車体・電子制御装置整備士 |
二級自動車シャシだけは例外があり、一級自動車整備士(二輪)の受験資格を判断するときは、この表を使いません。
この表は、工場側の要件には使いません。認証に必要な整備士の数と種類、整備主任者、自動車検査員を判断するときは、いま持っている資格の名前のままで見ます。
その自動車検査員については、選任できる資格を一級だけに絞る案が検討されました。国土交通省の報告書はこう結んでいます。
今回の改正においては、現行制度のとおり、一級又は二級の自動車整備士が自動車検査員に選任できることとし、今後引き続き検討を行うこととする。
検討の結果、今回の改正では採られませんでした。一級を目指すかどうかを決めるとき、検査員の要件が2027年に変わる前提で考えなくて済みます。報告書は「今後引き続き検討を行う」とも書いているので、この先の改正で変わることはあります。
一級を目指すときも、いま持っている資格がそのまま効きます。新しい一級自動車整備士(総合)の受験資格は、二級自動車整備士(総合)に合格した日から自動車の整備作業を3年以上です。報告書も「現行の自動車整備士資格保有者においても、新制度における一級自動車整備士(総合)を最終的に目指せる仕組みとする」としています。
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一次情報
準一次情報(各振興会。自会が行う講習の日程については一次)