「ETCカードが欲しい、でもクレジットカードは作りたくない(持てない)」。
そんなドライバーたちの救世主として、今、金融業界で密かに注目を集めているのが石川県に本店を置く「北國(ほっこく)銀行」です。
なぜ、クレジットカードではない「デビットカード」でETCが作れるのか? その裏側にある画期的な仕組みから、利用する上での意外な落とし穴まで、詳しく解説します。
一般的に、ETCカードを作るには「クレジットカードの審査」が最大の壁となります。
ETCのシステムは、高速道路のゲートをノンストップで通過する際、瞬時に決済を完了させる必要があります。銀行口座からその場で引き落とす「デビット方式」では、もし残高が足りなかった場合にゲートが開かず、大事故に繋がりかねません。そのため、これまでは「カード会社が一時的に立て替える」クレジットカード方式しか存在しなかったのです。
しかし、北國銀行はこの常識を覆しました。「北國Visaデビットカード」に紐付くETCカードは、日本でも極めて珍しい「審査なし(※1)で持てる、口座直結型のETCカード」なのです。
(※1)銀行口座が開設できれば、クレジットカードのような個人の信用情報に基づく厳しい与信審査は基本的にありません。
ここで一つ疑問が浮かびます。「残高不足だったらどうするの?」という問題です。
北國銀行のETCカードは、デビットカードでありながら、実は「後払い方式」を採用しています。
つまり、「普段の買い物はデビット(即時払い)だけど、ETCだけは特別に1ヶ月待ってあげるよ」という、銀行側の非常に珍しい運用によって成り立っているのです。
「クレジットカード以外のETC」といえば、以前から「ETCパーソナルカード(パソカ)」という選択肢はありました。しかし、北國銀行のデビットETCは、これよりも圧倒的にユーザーフレンドリーです。
| 比較項目 | ETCパーソナルカード | 北國銀行 デビットETC |
|---|---|---|
| デポジット(預け金) | 最低2万円〜が必要 | 不要(0円) |
| 年会費 | 1,257円(税込) | 永年無料 |
| 発行までのスピード | 2週間〜1ヶ月程度 | 約1〜2週間 |
| ポイント還元 | なし | あり(0.5%〜) |
パソカは「先に数万円を預けなければならない」という高いハードルがありますが、北國銀行なら手出し0円でETCライフをスタートできるのが最大の魅力です。
これほど便利なカードですが、もちろん誰でも発行できるわけではありません。そこには「地域密着型」の地方銀行ならではの条件があります。
最大の注意点は、石川県・富山県・福井県に住んでいる(または勤務している)方に限定されている点です。全国どこからでも申し込めるわけではないのが、このカードが「知る人ぞ知る」存在である理由です。なにせ、踏み倒す人が多すぎて、全国から石川県、富山県、福井県に居住していないと口座開設できなくなったという噂すらある位です。
デビットカード自体は15歳(中学生を除く)から作れますが、ETCカードの申し込みは18歳以上となります。
後払い方式であるため、翌月末の引き落とし日に口座残高が1円でも足りないと、カードが利用停止になります。クレジットカードのような「リボ払い」や「分割払い」は存在しないため、計画的な利用が求められます。
このカードは、単に「クレジット審査に不安がある人」だけのものではありません。
「ETC=クレジットカード」という固定観念を打ち破った北國銀行。
年会費無料で、ポイントも貯まり、デポジットも不要。このスペックは、大手カード会社をも凌駕する利便性を秘めています。
もしあなたが北陸3県にゆかりがあり、スマートなドライブを楽しみたいのであれば、北國銀行の口座開設を検討する価値は十分にあります。